
これは騒乱の宴ではない。
暗く、重く、人間の暗闇を映し出す。
そしてその美しさも、だ。
パッと聞いた感じポップで聞きやすい。
激しいお経を聞いているような荘厳さは、ドラムのリズムが生み出している。
それに絡むギターは混乱を演出する。
時に暴れ時に正確なリズムを刻み、静寂との間を行き来していく。
ベースがその間を取り戻すかのように、全体の秩序を取り戻し。
再びギターはカオスを歩みだす。
まさに混沌、聞きやすいと言っておいてなんだが、曲自体は非常に難解だ。
でも、2度3度と聞いてみて欲しい。
不思議とその混沌になじんでいる自分に気がつけるはずだ。
アニマというのは男性の無意識の女性的な側面を意味するらしい。
それに関しては、さっぱり感じとれなかった。
感じ取れなければ、それはそれで気にしなければ良い。
アーティストは、わかる人にわかるように作っているはずだ。
わからないのは、自分が悪い。私はそう思うようにしている。
全体的にグネグネと重く暗いせいもあるかもしれない。
お経という宗教的な感じを受けるのは、私が日本人だからだろう。
こういった呪術的な要素はエジプトの宗教の要素を取り入れてるそうだ。
あくまでも暗く重く、死を感じさせる世界観である。
タイトルのAENIMAは、アニマとエネマを掛け合わせた言葉。
エネマは浣腸。
では、その意味は?と問われればそれは本人たちに聞かないとわからない。
私はアナルセックスの持つ淫靡な雰囲気と背徳の美を感じる。
そして、そこにもたらされるであろう混沌もである。
そういうぐちゃぐちゃとしたtoolの音楽こそが、なぜだかわからないがとても心地良い時があるのだ。
気持ちが悪い音楽である。
時折不快感すら感じる。
だが、それもまた世界の本質であり。
その一つを照らし出す素晴らしい音楽だ。
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ラベル:音楽
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