どらっくすのちゃんぷる〜日記。

どうせ誰も読んでない。

2014年09月01日

夕暮れ。

日が落ちるのもだいぶ早くなった。
夕方の空気は、昼間の暑さを吸い込み、若干の冷たさを吐き出している。
「今度さ、どっか行こうよ。」
夕焼けで彼女の顔がオレンジ色に見える。
「ああ…、そうだな。」
「どこが良いかなぁ。」
僕は自転車を押しながら、彼女の横を歩く。
オレンジ色の世界は薄暗く色を落としていく。
「ねぇ、どこが良い?」
「どこって、そうだなぁ。」
「どこでも良い?」
「うん、まぁ。」
「ふーん。」
彼女が歩くスピードを少し上げた。
僕は変わらず自転車を押し続ける。
少しだけ離れたところで、彼女は立ち止まり、振り返った。
「ねぇ。」
「うん?」
「…なんでもない。」
彼女はこっちを見ていたけど、逆光で表情は良く見えなかった。
「あのさ。」
僕は表情の見えない彼女に話しかける。
「行きたいところはないんだけど。」
「うん。」
「良かったら、明日も一緒に帰ろうよ。」
「…うん。」
相変わらず、彼女の表情はよく見えなかった。
僕の顔は彼女に、何色に染まって見えているだろうか?
オレンジか、赤か、それとも。
僕は、彼女を見つめるために、真横まで行った。
「良かったら…、良かったらなんだけど。」
「なに?」
「明後日も、その先も、卒業するまで、一緒に帰らない?」
彼女は下を向いて立ち止まった。
僕は自転車を押し続ける。止まることが、できなかった。
「いいよ。」
振り返ると、彼女は笑っていた。
太陽が沈んでも、それだけはわかった。
ラベル:小説
posted by どらっくす at 23:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
最近の記事
タグクラウド





PR
漫画・コミック全巻読むなら【全巻読破.COM】

歯の美白

ロリポプラン 詳細はこちら





人気ブログランキングへ

カテゴリ
ブログパーツ