それでもなにがしかのすがるものがあるからこそ、
男は生きていけるものなのかもしれない。
今の自分がすがっているものはなんだろうか?
ただ、生きているということ、それだけにすがって、
何の目的もなく生きているのかもしれない。
「極大射程」は、銃だけを愛して生きていくことを決め、
山奥に篭っていた男が主人公の話だ。
本当に山奥なのかはわからないが、
なんとなく自分の中のイメージでは山奥。
とにかく田舎だ。
元々凄腕のスナイパーだった男は、
巨大な組織の陰謀に巻き込まれてしまう。
なんだかもう主人公の世捨て人感に、
すごく共感できる部分がありつつも、
最初のうちは心の内でざわめく何かがわからないでいた。
陰謀が進むにつれ、男は生き生きとしてくる。
根っからの兵士なのだ。
そして、色々あったあげくに、どうなっちゃうの?
というところで上巻が終了。
下巻はまだ読んでいる途中だけど、
上巻もお腹がいっぱいになるくらいおもしろい。
世を捨てて生きていた人間が、
再び人間としての尊厳を取り戻していく過程が、
結局のところ兵士としての自分を取り戻すということ同じ。
なんとも悲しい気持ちもするけれども、
戦うことを決めてから、どんどんかっこよくなっていく主人公。
下巻がどうなるのかはわからないけど、
もし可能であれば、新しく帰る家ができて欲しい。
どうあったって、自分は自分でいることしかできない。
世を捨てたところで、自分以外のものになれるわけではない。
大切なものはなんなのか?
今自分自身が進んでいる道は、
本当は誰かに選ばされているんじゃないのか?
自分自身の生命力を上げてくれる人間が現れたときほど、
裏切りを警戒しなくてはならないのかもしれない。
男が外に出れば、7人の敵がいるという。
みんなが平和に暮らしていくべきだからこそ、
自分の平和を守るために、
人はなんだってしてしまうものなのかもしれない。
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