どらっくすのちゃんぷる〜日記。

日記?の更新は基本的に毎日22時から24時の間くらいにしています。

2016年12月22日

石。

「君の部屋はどこにある?」
男は沢辺と名乗っただけで、いきなり中に入ってきた。
「ちょ、ちょっと困ります。いきなり入ってくるなんて非常識ですよ」
「常識に縛られない方が良い。これからの人生をよくいきたいのならばな」
「探偵に捜索する権利はないでしょ?不法侵入ですよ」
「運命を受け入れるのだ。ビリーブ」
会話をしながらもずんずんと家の中を進んでいく。教えてもいないのに、僕の部屋まで一直線に向かっている。
「どうしてわかるんですか?」
「ん?」
「オレの部屋」
「君の視線が教えてくれている、そっちには行くなと」
そういわれて、慌てて目線を違うところに移してみたが、沢辺はすでに部屋に入っていた。
「ちょっと、やめてください」
入るだけのはずはないと思っていたが、いきなり家探しのようなことをしだすとは思わなかった。普通は一言断ってからではないのか。常識では。
「それで、何を探しているんですか?」
沢辺に常識を説くよりも、一緒に探す方が早いだろうことは想像がついた。
「鍵だ」
「鍵?」
「ここ数日、何かを拾ったりはしなかったか?」
「ああ、それなら」
僕は机の引き出しから石を取り出した。
「これじゃないですか?」
沢辺は石を受け取ると懐にしまった。
「ありがとう、代わりにこれをあげよう」
「お金ですか?」
「お守りだ」
「はあ」
どう見てもただの石だった。石の代わりなのだから、石でも問題はない。机の引き出しに石をしまった。
「それで……」
振り返るともう沢辺はいなくなっていた。
しかたがないので引き出しにしまった石を取り出して眺めてみる。どこからどうみてもただの石だった。常識的に考えてみればだ。
「お守りか」
常識に縛られない方がいいという沢辺の言葉が耳に残っていた。
ただの石をお守りとして持つことは非常識なのか、あるいは常識的な行為なのか。
判断のつかぬまま、僕は石をお守りとして持つことに決めた。



何かが始まりそうで、始まらないかもしれない。
posted by どらっくす at 00:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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