どらっくすのちゃんぷる〜日記。

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2017年01月02日

八太郎と十郎太。

八太郎という名前のタコがいました。
八太郎は名前のとおり足が八本、海の中では名の知れたタコでした。
なにしろ八本も足があるのですから、足の多さでほとんどの敵を倒すことができたのです。
そんな八太郎にも苦手な存在がいました。イカの十郎太です。
十郎太には、なんと十本も足があったのです。
八本の八太郎ですら太刀打ちできません。ただ十郎太はおとなしいイカだったので、八太郎は海の中ではおおいばりだったのです。
おおいばりの最中に十郎太が近くに来ると、少しだけ声をひそめましたが、十郎太がなにもしてこないとわかると、再びおおいばりとなったのです。

あるとき、海の中で大飢饉が起こりました。
食べ物が少なくなり、みんなお腹が空いていました。
そんな中でも八太郎はおおいばり。みんなに嫌われていました。
イカの十郎太が近づいてきたのに気がついても八太郎はもう恐れることもなくおおいばりです。
十郎太の姿を見て、八太郎はギョッとしました。
「お前、足はどうしたんだ」
「ちょっと怪我をしてしまってね」
こんな飢饉のときにバカなやつだと八太郎は思いました。
なにしろ十郎太と言ったら、自慢の十本足が七本になっていたのです。
本格的に八太郎は十郎太を恐れなくなりました。なにしろ自分よりも足が少なくなったのですから、なにも怖くありませんでした。
次の日も八太郎は十郎太に会いました。すると十郎太の足は六本になっていたのです。
「お前、足はどうしたんだ?」
「ちょっと怪我をしてしまってね」
日に日に十郎太の足の数が減っていき、ついには残りが一本になってしまいました。
いよいよもっておかしいと思った八太郎は、十郎太とよく一緒にいる亀の松さんのところを訪ねたのです。
「十郎太の足はどうしてあんなに減ったんだ」
「あいつは偉い奴だよ」
聞くと、十郎太は飢えて死にそうな小魚たちに、毎日足を一本あげていたのだそうです。
「それであんなに少なくなっていたのか」
「そうなんだよ」
亀の松さんにお礼を言うと、八太郎は急いで十郎太のもとに行きました。
十郎太は、最後の一本足を今まさに飢えた小魚たちにあげようとしていたところでした。
「えいえい、ちょっと待て」
「これは八太郎さん」
「十郎太の足はそれで最後だ、オレの足を食べなさい」
暴れん坊の八太郎の言葉に小魚たちは驚きました。一番驚いていたのは十郎太です。
「八さん、自慢の足じゃないか。一本だってやらなくていいよ」
「そしたら明日からはどうするんだ?こいつらは死んじまうぞ」
「なに、そしたらこの身をやるさ。八さんはこの飢饉を終わらせるようがんばってくれ」
八太郎は十郎太の気持ちに心を打たれました。そして、よりいっそう十郎太を死なせるわけにはいかないと思ったのです。
「なら今日のところはオレの足を食ってもらおう。いや、今日から七日間はオレの足だ。それで残った足が一本ずつとなったところでまた考えよう」
「八さん……、よし一生懸命飢饉を終わらせる方法を考えよう」
二人は友情の涙を流しました。その涙は、海を伝って海神さまのところまで流れていきました。
それから数日が経ち、二人の足も一本ずつとなってしまいました。
「八さん、最後の一本。どっちが先に出すかい?」
「そのことなんだが」
八太郎は言うが早いか、自分の足をえいやと切り落としたのです。
小魚たちは喜んでタコの足を食べ始めました。
「八さん」
「十郎太、オレは今までずっと暴れん坊でやってきた嫌われ者だ。一度くらい誰かの役に立ってから死にたいんだ」
「だからって、そんな真似はよしてくれ。明日はオレが……」
「いや、十郎太。ここ数日、話してみてわかった。お前は頭が良い。この海を仕切れるのはお前だよ」
「八さん、みんな八さんがどんなに暴れたってついてきたじゃないか。そりゃ嫌いだって言う奴もいる、でも口だけさ。本当にこの海を仕切ることができるのは八さんだ」
二人はようやくお互いのことを理解しあい、おいおいと泣きはじめました。その涙は再び海神さまの元に届きました。
海神さまは二人の友情が本当であることを確信し、奇跡を起こしに二人のもとにやってきました。
「二人の涙が潮にのって流れてきた。お前たちの涙に免じて一つだけ願いを叶えてやる」
二人は声を揃えて言いました。
「それでは飢饉を終わらせてください」
海神さまは言いました。
「お前たちの体を治してやることもできるぞ」
「わたしたちはもう大丈夫です。なに、わたしの一本足でも二人の分の食料を取るくらいはできますよ」
「すまないな十郎太」
二人の間にできた絆は、二度と壊れることのないほどに強く結び付いていました。
「さあ、飢饉を終わらせてください」
「わかった」
海神さまがひとつ何か呪文をとなえると、あっという間に海の中に温かい空気が戻ってきました。きっとこれからは食料もたくさんとれるでしょう。
「ありがとうございます、海神さま」
「願いは叶えたぞ」
海神さまはまた海の奥底の方へと帰っていきました。
「ああよかった、これで海は救われた」
「ほんとうによかった。あれ?八太郎お前足が」
八太郎が自分の足を見ると、小さいながらも八本の足が生え出していました。
「十郎太、お前もだ」
十郎太にも残った一本足と九本の新しい足が生え出していました。
海神さまの奇跡のおかげで、二人の足がまた生えてきたのです。
それから二人は協力しあって、海の中を長い間治めていきました。
タコとイカの足が何度も生えてくるようになったのも、この出来事があってからなのだそうです。



昨日は短かったので、今日は長めにと決めていました。
一度保存をミスったときは冷や汗が出ましたが、データが残っていたので安心しました。危ないところだったぜ。
posted by どらっくす at 21:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 創作文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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