同じ人間が二人生まれるはずなのである。
なのに、どこか違う。
双子が全く同じ人間に育たないのはなぜか?
これは主に外的要因からそうなるらしい。
次に、ここまで述べたところで生徒が手を挙げた。
「先生、外的要因とは具体的にどういうことなのでしょうか?」
「良い質問だね、外的要因というのはつまり育ち方を全く同じにすることはできないということだよ」
「と言いますと?」
「赤ん坊の時の寝返りまで全く同じ角度ですることはできないだろう」
「はい」
「でも、それだけのことでも微妙に骨格に影響を与えてしまう」
生徒は納得したようだったので話を続けた。
そして、他の要因というのが遺伝子にはある種の余白があるということ。
DNAは全く書き変わらないということはない。
もし書き変わらないのであれば、生物は進化しないということになってしまう。
ここで授業は終わりとなった。
「先生、もう一つ質問良いですか?」
「なんですか?」
「双子の殺人鬼が交互に人を殺しまくった場合に、お互いのアリバイを確保しあったらどうなるんですか?」
「なるほど、なかなか難しい質問ですね」
「もちろんうまくやるのは難しいとは思うんですけど」
「実際、似たような事件はあったそうです」
「え」
「でも犯人は捕まりました」
「DNAが一緒なのにですか?」
「はい。目撃証言や監視カメラの分析などが決め手になったそうです」
「なるほど。ありがとうございました」
生徒は頭を下げて帰っていった。
そうなのだ。
現代社会において、犯罪は数多のカメラを潜り抜ける必要がある。
監視カメラだけではない、その辺を歩いている人間すらいつ撮影し出すかわからない。
ふとした拍子に映り込んでしまうことなどいくらでも可能性がある。
監視の目がキツくなった分、犯罪が見つかることも増えてきた。
本当に良かった。
私が現役の時はカメラが少なくて。


